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「親ガチャ」が話題になってますが、みんな一つの事実に気づいていない

こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、会計✖英語を教えている、帰国子女のスグリンガルです。

「親ガチャ」論争がヒートアップしています:

ひろゆきが「親ガチャ」という言葉をポジティブに捉える理由(週刊SPA!)

「親ガチャ」という表現が正しいか正しくないか、は横に置いておいて、まず英語での説明を読んでみましょう:

The Japanese Slang Everyone Is Talking About Is “Oya-Gacha”

Oya-gacha, or “parent gacha,” is currently a big buzzword in Japan.“(=「親ガチャ」というコトバが、現在日本で話題になっている。)

The idea is that children do not get to choose their parents.“(=その心は、子は自分の親を選べないということ。)

Not everyone can get the super rare, powerful items in gacha games—or in real life.“(=ガチャガチャでも、実際の人生でも、「大当たり」というのはそうそうない。)

Over sixty percent of Tokyo University students come from homes where the average family income is above $86,000. That’s almost double the national average of $46,372.“(=東大生の子供がいる家庭の平均世帯年収は、約6割が950万円を超えており、国民全体の平均の二倍以上になる。)

こういった傾向は、海外でも同じです。

一番有名どころでいうと、マイケル・サンデルの新刊:

昔は「頭が良ければ人生成功する」と言われて、ガンバレ、ガンバレ、っていう人が多かったですが、この「能力主義」が実は格差社会や不平等といったものを逆に招いてしまっている

頭の良い親の子どもは、十分にお金をかけて勉強させてもらえ、その結果、良い大学に入れたり、良い仕事に就けたりして、結局、「学歴に基づく差別」が続いている、という主張です。

「親ガチャ」と、背後にある精神は同じだと思います。

こんな考えが流行っているから、「親ガチャ」というコトバが流行っているのかもしれません。

ですが、生まれてくるものは「経済格差」だけではありません。

間違ったおごり、相手への尊敬の欠如、屈辱、自尊心の欠如、不当な怒りーこれらすべては、社会にマイナスの影響を与えるのです。

「親ガチャ」と発することが、個人にとっても、社会にとってもマイナスである、これらの感情を軽減する要素になるのか?それが議論されるべき点でしょう。

逆に言えば、「親ガチャ」というコトバにかまけて、努力しなくなったり、自暴自棄になったりするくらいなら、こんなコトバは使わないほうが良いのです。

「コトバの響き」や「アイデア」が「なんとなく、面白い・楽しい」だけで安易に流行る傾向が強い日本。

少し難しいことを言うと、「そんな難しいこと考えなくていいじゃない」とすぐに言ってしまう、日本人。

それだと、深く考える習慣がなくなり、本当の理解も面白さも得られなくなります。

この社会的流動性の低さを改善するぞ!と全面的に打ち出している、岸田文雄新総裁。さて、世の中、変わるでしょうか。