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鬼滅の刃の本タイトルを見てみよう:そこからわかる、翻訳の難しさについて。

鬼滅の刃の人気が止まらない。興行収入は300億円を突破し、タイタニックを追い越さないで~という声も聞かれているそうだ。

https://toyokeizai.net/articles/-/390273

タイトルの直訳は、

Demon Slaying Blade (直訳:鬼滅の刃〔鬼殺し用の刃〕)
Demon Slayer’s Blade (直訳:鬼滅の刃〔鬼殺隊士の刃〕)

なのだが、オフィシャルなタイトルは、

Demon Slayer (オフィシャル訳:鬼滅の刃)

となっていて、意訳されているところも、英語を教える者に言わせると、センスあるなぁ、と思う。

日本語って大体「の」が入ったものが多い。そして、これを英訳するとき、「〇〇’s ××」とか「×× of 〇〇」と訳すことほど、ウザいものはない!

ま、結局、原文に忠実に訳して、と言われると、こうなってしまうのだが。

だから、もうちょっと意訳を信頼してみてもいいような気がする。

意訳を信頼できないのには、2つ理由がある。

理由①あんまりたくさんの訳本が出回っていないから。

いっぱい訳本が出回っていれば、訳Aと訳Bと訳Cを合わせて、こういう原文なのね~みたいな解釈も可能なのだろうが、一つだけだと、それが原文のバイブル、みたいな扱いになってしまうため、危ない、といえば危ない。

誤訳があったときなど、それが作者が書きたかったこととして通ってしまうから。

理由②原文を読める人口があまりにも少ない。

日本語の原文が読めればいいんだよ。日本語の原文を読んだ上で、英訳を読むと、「あぁ、こういう解釈ができるのか~」とか「こういう理解の仕方もあるのね~」と逆に楽しめるのに、翻訳言語しか読めないと、その訳文で世界が出来上がってしまうため、ちょっと怖い。

だから、翻訳は原文を読めない人のためにあるから、本末転倒な結論とは思いつつも、あえて言う。

原文を読めたほうが、やっぱり面白い

外国人が日本語を勉強し始めたキッカケの圧倒的な理由は、日本のコミック本を読みたかったというもの。やっぱり、マニアになるくらい何かが好きになれる人は、言語習得のスピードも早いと思う。

これは、英語の勉強も同じ。

英訳される日本の小説より、和訳される英語の小説のほうが圧倒的に多いことを考えると、やっぱり英語は読めたほうが、何倍も世界は広がる

そして、楽しい。

それは、言ってみれば、四輪駆動の車に初めて乗ったとき、座高が高いため、景色が変わって「へぇ~」ってなる感覚と同じ。

普通の車に乗るのも楽しいけど、四輪駆動に乗れば、もっと楽しい。

がんばって、英語を読みましょうw