長年、海外に住み、日本に帰国後、英語を教える帰国子女の、スグリンガルです。
今日は、日本の若者に最も欠けている能力とはなにか?について語りたいと思います。
確かに、どの国、部族、文化にも、頭の良い子、頭の悪い子、というのは存在します。いえ、色々な子供がいて良い、ともちろん思います。
でも、日本の子どもが海外の子どもと比べて、圧倒的に劣っているところ、があります。
なんだと思いますか?
それは、自己表現能力です。
いえ、自己の表現だけではありません。自分のコトバで説明する、考えをまとめる、思っていることを効果的にアウトプットする、そんなスキルがとにかく欠けていると思います。
え?海外の子どもはそんなに上手いのか?って?
いや、もちろん説明が支離滅裂な子ども、海外にもたくさんいますよ。
でも、海外では、学校という教育機関で、ちゃんと「人に話す」「人に説明する」という教育がなされている、という事実は大きいと思います。
「スピーチ」というクラスが存在し、「演劇」や「自己表現」というクラスが存在し、自分が他人にどう見られているのか、を先生だけでなく、まわりの生徒も評価する、そんなクラスが必ずあります。それらのクラスに限らず、すべてのクラスで、スピーチやプレゼンテーションを定期的にし、教室では机を丸を描くように並べてディスカッションをし、毎週のように小論文を書かせるクラスがある ー この意義はとても大きいと思います。
日本の学校は、いまだにアウトプットではなく、インプット中心。どうやって学習すれば早く覚えられるか、どうやって先生の言ってることをノートに書けば良いか、そんなことにばかり気を遣っているようです。ノートをキレイにまとめる能力に関する書籍が、いまだに書店のランキング上位になっています。
「インプットよりアウトプットを大事にする、という教育方針で、外国の人は自分の考えを上手に伝えたり、相手を納得させるスキルが身に着きやすいのだ」
という話を以前したとき、
「でもインプットを大切にする教育方針だから、日本人は人の話を外国の人よりよく聞くんだ、アメリカ人なんか、あんなにまくしたてて話して、全然人の話を聞いてないじゃないか」
と言われたことがあります。
でも、考えてみてください。論理的思考、相手を納得させる話し方をするためには、そもそも相手の言うことをよく聞いていないとできないと思いませんか。
そして、SNSやスマホ上の会話が活発になる中、日本人の自己表現の拙さに拍車がかかっているように危惧するのは、私だけでしょうか?
だから、政治や経済で、自分たちの主張が通らず、相手を説得できず、歯がゆい思いをするのではないでしょうか?
外資系企業で、本社の外国人に、言いくるめられて、結局自分たちの主張を飲み込んでいる、中間管理職のおじさんたちを、どれだけ見てきたことか。
日本の教育、それが元凶だと、私は、思っています。