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将来のお給料が下がるの?という心配が、当たっているワケ

将来のお給料は、着実に上がっていかないかもしれない・・・と、不安を感じている方が最近多いです。

周りでも、心配している人のお声、よくお聞きします。

今日は、そんな不安が的中したという少し怖いお話を、しましょう。

先日発表された『令和2年分 民間給与実態統計調査結果』という、日本の国民全体のお給料のデータから、分かったことを発表します。

1)去年一年間の年間平均給与=2年連続の減少

令和2年度 平均給与は433万円。

画像1

(出所:国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査結果』)

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf P.2参照

なんだ、2年連続ダウンといっても、それまでは10年くらい上がってたんじゃん」と思ったあなた。

では、20年というもう少し長いスパンで、この所得の推移を見てみましょう。こうなるそうです:

画像2

出所:小川製作所、小川真由
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2103/29/news006_4.html 参照

日本だけがOECD諸国の中で1.0を切っています。

一つ目のグラフでずっと上がっていると感じていた皆さん、それは数値のトリックであることが分かります。

二つ目のグラフでも、過去10年間だけ見ると、確かに上がってはいます、少しですが。

これでも、同じ結論が出せますか?

2)平均ボーナスは、リーマンショック後並みの減少

画像3

(出所:国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査結果』)

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf P.2参照

なんだ、私の去年のボーナス、いつもと一緒だったから、私はラッキー」と思った皆さん。

ではこれは、いかがでしょう。

3)正規・非正規の平均給与の差が、初めて縮小

画像4

(出所:国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査結果』)

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf P.2参照

最初の点、#1で全体の給与の平均値が下がっていると話しました。

つまり、この「下がっている」という現象は、正規・非正規全員が関係しているということになります。

この「下がった」のは、歴史上初めてのことです。

まとめ:

①数値は、過去数年ではなく20年くらいの長いスパンで見るべし。
②数値は、世界各国の中で(もしくは別のものと)比較して見るべし。
③自分の給料は大丈夫、とは言っても、これから10~20年すれば、自分の給料に影響が出るという姿勢で見るべし。

これが数値の鉄則です。

補論:

去年、韓国のニュースがこんな記事を出していました:

[News Focus] Korea outstrips Japan in average pay in 2019

OECD各国の中において、韓国の平均給与が、日本の平均給与を上回ったと自慢(?)している記事です。

Korea placing higher than Japan and some European economies could be attributable to the drastic hikes in minimum salary in 2018 and 2019 under the Moon Jae-in administration.(=韓国が日本や一部の欧州諸国より高い順位をつけた理由は、文在寅政府が2018年と2019年に最低賃金を大幅に引き上げたためである。)