こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、英語を教える帰国子女の、スグリンガルです。
帰国子女の私が、日本語を嫌いな理由を一つ挙げたいと思います。
いや、日本語ではなく、日本文化ですかね。
それは話し相手によって、同じ文章の中の単語や語尾、言い方を変えられるところ。
これは本来美しい日本語ならではの特徴ですが、如何せん、これがマイナスに作用するような文章を作るヒトが、あまりにも多いです。
幼い子供や、年配の方にため口で話すクセがあります。
今朝も、とある中学校の門の入り口で、守衛さんみたいな男性が、学校に入ってくる生徒さんたちに、
「おはよう~ 今日も頑張っていこうね~」
と呼びかけていました。
「おはようございます。本日も気合を入れていきましょう~」
ではダメなんでしょうか。
認知症の進んだ年配の女性に、介護士の方が、
「今日は暑いね~。朝食べる前に、トイレ済ませようか~」
と話している。
「暑いですね。トイレを先に済ませておきましょうか」
ではダメなんでしょうか。
ため口は、
自分より「下」の地位にあるヒトにしか使わないコトバ
だと思っています。
もちろん、いつも一緒に話す親友や、「あえて」ため口で話す関係を、否定しているわけではありません。私もそういう親友がいます。
でも、そこまで親しくない人、特定のコミュニティに属することで知り合ったヒトに話すため口は、やはりその話しているヒトのレベルを明らかにしていると思っています。
少なくとも、相手と自分との関係に関してどう思っているかということを明白にしていると感じています。
そもそも、英語では
Good morning. = おはようございます、おはよう、おはよ、おはようさん、おはー
すべてを、このフレーズが包含しています。
だから、私がかえって違和感を感じているのかもしれません。
英語では、この一つしかないので、相手を本当に見下している場合(もしくは、相手にそう伝わるようなコミュニケーションをする場合)、別の文章を作成したり、別の単語を使ったりする必要があるのです。
日本語は、ちょっと語尾を変えるだけで赤ちゃん言葉、老人コトバ、目上の人への言葉、すべてが対応できます。ボキャ貧な日本人が多い理由もそこではないかな、と思います。
変な敬語を使う日本人が多いと言われるのも、元をたどれば、ボキャブラリがあまりにも貧弱な人が多いからなのでは?とりあえず尊敬語をたくさん文章に突っ込んでおけばいいやーと思う人が多いからなのでは?
今日は、日本語の特殊な特徴(本当は美しく便利な特徴)のせいで、態度が美しくない日本人、ボキャ貧な日本人が増えている、というお話でした。
ま、こういうふうに難しく考える人もいる、と理解した上で、コトバを発するようにしてみてください。