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「しかたがない」という感情は日本人特有?

こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、英語を教える帰国子女の、スグリンガルです。

五輪やるのも、自粛期間が長引くのも、「仕方がない」で割り切ろうとする日本人のこと、皮肉られています:

五輪も自粛も「仕方がない」で受け入れる、ガマン大国・ニッポンの末路

↑5月19日、IOCのコーツ副会長が、日本人をヨイショした、このコメント:

「歴史の中で逆境を克服し、忍耐力を発揮してきた日本の人たちのおかげで、この難しい環境下でもオリンピックが開催できるということを決して忘れてはならない」

原文で、読んでみましょう:

Letter from the Chair of the IOC Coordination Commission for the Olympic Games Tokyo 2020, John Coates

(抜粋)
In all of this, … we should never forget … the Japanese people, who have demonstrated their perseverance throughout their history. It is only because of this ability of the Japanese people to overcome adversity that these Olympic Games, under these very difficult circumstances, are possible.

(=この全てにおいて、私たちが決して忘れてはならない・・・グループがある。歴史の中で粘り強さを示してきた日本人。このような厳しい状況の中で、今回のオリンピックが可能となったのは、日本人が逆境を乗り越える力を持っているからにほかなりません。)

ヨイショするなら、もっとヨイショせろや!とも思いますが。

この、日本人の常態となってきた、「しかたがない」感情。

しかたがない = It can’t be helped

実は、この”shikata ga nai“、アメリカ人に知られた単語です。

特に、アメリカに住む日本人が、第二次世界大戦中に、収容所に入れられた際に抱いた感情として、広くアメリカ人に知られました:

Psychological effects of camp

↑日本人独特の感情として、説明されています:

Many incarcerees attempted to make the best of their situation by responding with the Japanese stance “Shikata ga nai” (It can’t be helped) and drawing upon the Japanese value of “gaman,” the internalization of and suppression of emotion.

(=収容されていた多くの人は「仕方がない」という日本人のスタンスで反応して、自分たちの状況を最大限に利用しようとした。これは、感情の内面化と抑圧ともいえる、日本人の価値観「我慢」がベースになっている。)

ここで言っておきたいのは、声を上げて主張することが正当な権利と思われているアメリカでは、この感情が決して手放しで称賛されているわけではなかったという点です。

本当は「人間として」「当然の権利として」主張できるところを、「あえて主張しない」「主張する権利を放棄」「自分の感情を説明する能力がない」無力な人、として、見下された感情でもあるのです。

もちろん、本当にどうにもならないことの前で、感情をコントロールできる素晴らしい精神、という意味合いで称賛されることもあります。東日本大震災で多くの犠牲者を出したときの日本人の反応で、この「仕方がない」の感情をポジティブに説明されたジャーナリストもいました。

ですが、この「仕方がない」という日本人の感情に対する、外国人の反応には、2通りある、ということを、覚えておくべきです。

それを前提として、コーツ副会長のコメントを読むと、また違った読み方ができるのではないでしょうか。