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会計
2021.11.20
「コングロマリット・ディスカウント」について学ぼう

東芝の上場3社に分割するニュースが大きくメディアで取り上げられています。

【主張】東芝3分割へ 企業価値は向上するのか

(記事の写真から)

ここで、よく言われる「コングロマリット・ディスカウント」。
これ、皆さん、分かってますか?

英単語:
Conglomerate discount=コングロマリット・ディスカウント
Conglomerates = 様々な事業を行っている大企業
Discount = 割引、ディスカウント
Conglomerate discount【意味】:例えば、A事業、B事業、C事業をもっているある企業の価値が、それぞれの事業を独立で運営するより、下がってしまう(=割引)してしまうこと。

ここで言っている「価値」っていうのは、どうやって計っている?

答え:時価総額です。


時価総額(=market capitalization)というのは、
<その企業の株価 x 株数>
で計算されます。株価でかけているということは、日々変動するものだということなんです。

つまり、「時価総額」なるもので評価される「企業の値段」が複数のビジネスのそれぞれの値段を合算した金額より、低いということを表しています。


へぇー、「ディスカウント」って良い意味の「安くなる割引」以外の意味でも使うんだーと思った皆さん。

「もちろん!」ということになります。

実は、いわゆる「割引」の意味で”discount”を使うことのほうが、むしろ会計の実務の世界では多いかもしれません。しかも、割引ってオトク感がありますが、企業にとってみたら売上が減るっていうことなので、イメージがあまりよくありません。会計の処理も割引を提供することで、より複雑な処理が必要になってきます。

私たちにお馴染みの
小児割引 = child discount
従業員割引 = employee discount
メンバー割引 = member discount
買い物の割引 = shopping discount

だけでなく、「通常の価格より(何らかの理由で)安くなってしまうという意味のdiscount」という形で企業の会計を見ると、discountに対する見方も少しは変わってくるかもしれません。

いずれにせよ、一つのことだけは確実です:

企業の価値を(株価という形で)上げようとする目的のために、会社を分割してしまうわけです。つまり、

分割した後に、企業の価値が(本来、そしてこれまでより)上がらないといけないのです。

中の従業員にとっては、とても厳しい環境になること、間違いないでしょう。