東芝の上場3社に分割するニュースが大きくメディアで取り上げられています。
(記事の写真から)
ここで、よく言われる「コングロマリット・ディスカウント」。
これ、皆さん、分かってますか?
英単語:
Conglomerate discount=コングロマリット・ディスカウント
※Conglomerates = 様々な事業を行っている大企業
※Discount = 割引、ディスカウント
Conglomerate discount【意味】:例えば、A事業、B事業、C事業をもっているある企業の価値が、それぞれの事業を独立で運営するより、下がってしまう(=割引)してしまうこと。
ここで言っている「価値」っていうのは、どうやって計っている?
答え:時価総額です。
時価総額(=market capitalization)というのは、
<その企業の株価 x 株数>
で計算されます。株価でかけているということは、日々変動するものだということなんです。
つまり、「時価総額」なるもので評価される「企業の値段」が複数のビジネスのそれぞれの値段を合算した金額より、低いということを表しています。
へぇー、「ディスカウント」って良い意味の「安くなる割引」以外の意味でも使うんだーと思った皆さん。
「もちろん!」ということになります。
実は、いわゆる「割引」の意味で”discount”を使うことのほうが、むしろ会計の実務の世界では多いかもしれません。しかも、割引ってオトク感がありますが、企業にとってみたら売上が減るっていうことなので、イメージがあまりよくありません。会計の処理も割引を提供することで、より複雑な処理が必要になってきます。
私たちにお馴染みの
小児割引 = child discount
従業員割引 = employee discount
メンバー割引 = member discount
買い物の割引 = shopping discount
だけでなく、「通常の価格より(何らかの理由で)安くなってしまうという意味のdiscount」という形で企業の会計を見ると、discountに対する見方も少しは変わってくるかもしれません。
いずれにせよ、一つのことだけは確実です:
企業の価値を(株価という形で)上げようとする目的のために、会社を分割してしまうわけです。つまり、
分割した後に、企業の価値が(本来、そしてこれまでより)上がらないといけないのです。
中の従業員にとっては、とても厳しい環境になること、間違いないでしょう。