以前は、男性が結婚して所帯をもつと、
『一家の大黒柱』
と呼ばれたものです。
最近は、共働き世帯が夫婦の約半分を占めるようにもなり、働く女性も増えて、男性に『大黒柱』の役割を求めること自体がナンセンスになってきています。
ですが、この大黒柱の概念、まだまだ根強いようですね。
今朝の日経新聞に書かれていた、男性数百人にアンケート調査を行った結果が掲載されていました:
(出典:日本経済新聞 2021年9月6日 朝刊)
やはり、大黒柱=男性というイメージがまだまだ強いのですが、
大黒柱と思われることを苦痛に感じる男性もいるという興味深い記事が載っていました。
※英語では、
大黒柱=breadwinner
と呼びます。
文字通り、bread(=パン)をwin(=勝ち取る)人のこと。
この考え方、海外ではどう捉えられているのか、ご存じでしょうか。
一例を紹介しましょう:
When the Woman is the Breadwinner – Unhappy Marriage
この記事の中では、結婚が破綻するシチュエーションの一つとして、
When the woman is the breadwinner=妻がbreadwinnerであるとき
が紹介されています。
日本のサイトと書き口がとても異なることに、すぐに気づかれると思います。
理由:
①男性が大黒柱の役割を担うという昔の伝統に未だに固守する人がいる
Because some people cling to traditions, no matter how outdated.(=どんなに廃れた伝統であるとしても、とにかくそれにしがみつく人がいる。)
②伝統に固守する人は、男性だけでなく女性に多い。
Women also tend to honor traditions even though many claim to be feminists or liberals. (=女性も、どんなにフェミニストやリベラルであることを公言していても、伝統に固守するきらいがある。)
While women have seen huge gains over the last few decades, men and women alike favor men as breadwinners.(=女性は、過去数十年権利を勝ち取ってはきたが、一家の大黒柱となる責任になると未だに男性に担わせようとするきらいがある。)
③女性の考え方に問題がある。
Many women, however, think it is easy to be breadwinners.(=多くの女性は、breadwinnerになることが簡単であると考えている。)
71% of adults said that in order for men to be good partners, it is “very important” for them to support their families.(=成人した人の70%が、男性の良い配偶者となる条件として家庭を経済的に支えることが「非常に重要」と答えている。)
日経新聞では、この問題を「大黒柱バイアス」と呼んでいますが、この問題が続いていること自体、男性だけではなく、女性の側にも問題があるとしているのです。
当たり前ですよね、女性がハッピーではない社会で、男性がハッピーであるはずがない。
男性の考え方に問題があるとき、女性の考え方にも問題があると言えるのです。相互に影響しあうのですから。
上記の英語サイトは、そのような考え方が結婚関係の危機につながるとして、そのカウンセリングを設けていますが、そういった問題があると新聞で紹介されるだけにとどまっておらず、ちゃんとソリューションを提示しているところが、やはり海外は進んでいるな~と思いました。
皆さんも、ご自身の考え方を改めて、見つめなおしてみてくださいね。