4月に入って、どこもかしこも、新入生や新社会人のニュースやポスターであふれている。
年々少子化なのに、4月からがらっと変わって新しい生活が始まる人、日本でどれくらいいるんだろう?と、帰国子女の私は毎年そう思ってしまう。
帰国子女の私が、「4月だ!新しい年度が始まる!」を人生の中で実感したのは、小学校1年生に入学したときが、最初で最後。
それ以来、4月に「新しいことがスタートする!」と感じたことがない。
こんなに、新しいことを始めるのを一つの月に集中させている国は、日本くらい。
アメリカやカナダでは、学校は9月スタートだし(といっても、大学は4月スタートの学生もたくさんいるし)、人事採用も一斉に9月に採用するという会社なんて一つもない。会社の決算も、9月始まりなんて会社は少数。ほとんどが1月スタート。だから、通常の
「カレンダー年」=calendar year
「会計年度」=fiscal year
とあえて分ける必要があまり発生しない。
フツーと異なる行動をとる人が異常にフツーに見えないのも、この4月一斉スタートが関係しているような気がする。
別に3月スタートしても、6月スタートしても、12月スタートでも、よいではないか。
COVID-19で、新学期を4月に限定しないで臨機応変にいこう、という話がせっかく持ち上がったのに、それじゃ、現場が混乱する、と結局却下されてしまったのは、個人的に残念。
日本も、多様性を受け入れるみんなの気持ちを高めるために、こういった形式的なところから入るのも妙案、と考えられるようになれば、もう少し成長するんだけど。